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皆さん、こんにちは。
もし子どもがいじめられていると知ったら、「なぜウチの子が?」と思うのはとても自然なことです。
いじめが起きたとき、いじめられる側に特に原因があることはほとんどありませんが、いじめに巻き込まれやすいタイプというものは存在します。
シリーズ第5回は『いじめに巻き込まれやすいタイプと対策』を解説していきます。
いじめに巻き込まれやすい3つのタイプ
① 意思表示がない
- 自分の意見や気持ちを押し殺し、何を聞かれても、何を言われても、何も言わない。
- 質問されても、「う~ん。」「まあ。」「微妙。」などとあいまいな返事ばかりする。
- 本当はイヤだと思っていても、「No」が言えない。
- いつもヘラヘラと笑っていて、何を考えているのか分からない。
- おどおどしていて、周りに流されやすい。
自分の気持ちを表現せず、周りに流されることが多いので、相手からは「何を言っても平気」などと思われたりします。
その結果、都合のいいように扱われ、次第にエスカレートしていじめの被害者になることもあります。
② 白か黒か、あいまいさがない
「白か黒か」という二者択一的な考え方が強いので、「そんな人もいる、そんな考え方もある」と柔らかく、あいまいな発想を持つことができません。
嫌な事をする相手を「相手を何とかしなきゃ(何とか変えなきゃ)」と必死で抵抗する様子を、逆におもしろがられて嫌がらせがエスカレートし、ケンカやいじめに発展することがあります。
また、他人に何か指摘されたり、責められたりすると「100%自分が悪い」と思い込み、必要以上に自分を責め、冷静な判断ができなくなり、いじめに巻き込まれたりすることもあります。
③ 自己肯定感が低い
自己肯定感が低く、「自分はこのままでいい」と思えないので、いじめられると「自分に問題がある」「自分はいじめられて当然だ」などと思うようになります。
そういう思いが強くなってくると、必要のない努力を始め、他人に相談する・助けを求めることができなくなってしまいます。
いじめを未然に防ぐための対策
いじめを未然に防ぐための対策を紹介します。
① 「No」を言う練習をする
いじめに巻き込まれるのを回避するためには、自分の意思表示がとても重要になってきます。
まずは、いやなときに「No」を言う練習をしましょう。
- 「いやだ」
- 「やりたくない」
- 「それはあまりよくないと思う」
「No」を言うときに覚えておいて欲しいのは、あなたが誘いを断っても相手は「傷付かない」ということです。
相手に気を遣い過ぎて、自分の気持ちを抑えることのないように、まずは、家庭で練習してみましょう。
② あいまいさを身に付ける
白か黒かの発想から少し成長して、グレー(あいまいさ)を受け入れる練習をしましょう。
- 「世の中にはそんな人もいる」
- 「そういう風に思う人もいる」
- 「私とは違う考え方をする人もいていい」
- 「勝ち負けが全てではない」
- 「まぁ、いっか!」
こういう受け取り方が身に付くと、何かイヤなことや傷付くことを言われたり、人から責められたりしたときに、必要以上に自分を責めることが減ってきます。
あいまいさが身に付くと、不安に耐える力が付いてきて、様々な場面で落ち着いて対応できるようになり、いじめに巻き込まれる可能性が減ります。
③ 自己肯定感を高める
最も重要な対策は、自己肯定感を高めることです。これは、家族、特に母親の協力が必要です。
母親に「あるがまま」を受け入れてもらう体験が必須になってきます。
- 「君はそのままでいい」
- 「お前は悪くない」
- 「よく頑張っている」
- 「今のままで充分だ」
- 「君は大切な存在だ」
自分が受け入れられている、必要とされている、大切にされている、と感じることで、自分を大切にしてくれる人たちと付き合うようになります。
そうすると自然にいじめに巻き込まれる可能性が減ってきます。
いじめに巻き込まれないために
実は、加害者側も被害者側も、いじめに巻き込まれる子どもたちは、似たような心理を持っています。
それまでNoが言えずなんとなく加害者側のグループに属していた子が、ある日突然、今度は自分がいじめのターゲットになることも珍しくありません。
しかし、どんな環境の中でも、いじめに巻き込まれない子ども達がいるのも事実です。
加害者側にも被害者側にもならず、いじめに巻き込まれないために、日頃から子どもに興味を持ち、家庭でできる予防策を投じておきたいですね。
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- アサーショントレーニング, いじめ, 曖昧耐性, 自己主張, 自己肯定感
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