皆さん、こんにちは。
シリーズ第6回は、『いじめを受けた子ども達が親(家庭)に求めること』について考えてみたいと思います。
子どもが親に求めることとは?
いじめを受けた場合、子どもが親に求めることは大きく分けて3つあります。
① 避難場所としての家庭
学校でいじめ被害にあったという状況から、第一に、家庭という避難場所での安心を求めます。
いじめの被害にあった学校という場所は、子どもの中ではとても「怖い場所」・「危険な場所」という認識になっています。
そんな危険な場所を避けて、安心できる場所へ避難したいと思うのは、自分の身を守る上で必要なことです。
家にいる間は一見すると好きなことばかりしているように見えますが、家庭で安心してゆっくり過ごすことが元気を取り戻すための第一歩なのです。
② 「否定されたくない、比べられたくない」
ときに、どんな事情にしろ「いじめにあった」という状況は、親が思っている以上に子どもを苦しめることがあります。
「普通の人は普通に学校に行って、普通に学校生活をしている」のに、「どうして、自分だけ普通と同じようにできないのだろう」という思いを強く持つことがあります。
自分でも十分悩んでいるところに、いじめられたことを咎められたり「どうしてあなただけできないの?」「他の人はできているのに」と言われたりすると、更に劣等感を強め、自己肯定感を下げることになり、苦しむことにもなりかねません。
口で表現することはできなくても、「これ以上否定されたくない、比べられたくない」という思いを持っていることを理解しておいて下さい。
③ 「こんな自分でも受け入れてほしい。見放されたくない」
傷付き、不安で苦しんでいる自分でも、親の期待に応えられなかった自分でも「受け入れてほしい。見放さないでほしい」と思っています。
いじめで理不尽に傷を負い、不登校という選択をしたことで不安に押しつぶされそうになり、罪悪感や自己否定感が強まっている時期だからこそ、こんな自分でも「誰かに受け入れてほしい」と思うのです。
「お前は悪くなかった」
「学校に行けなくても、君のことが大事だ」
「父さんと母さんは、いつでもお前の味方だ」
「絶対にお前のことを見放さない」
この一言で救われる子どもがたくさんいます。
このときに対応を間違うと、「受け入れてくれる誰か」を探して、社会的に好ましくないグループに入ったり、依存対象物に手を出したり、自分の体を傷つける自傷行為に走ったりしてしまいます。
我が子に向き合うための親の心構え
大前提として、いじめ被害にあったことから、子どもが「とても傷付いている」ということをしっかり受け止めることが必要です。
親としては焦らず慌てず、子どものリセットを見守る姿勢を持っていてくれると、子どもの気持ちはとてもラクになります。
「傷付いているんだから、今はゆっくり休んでいいんだよ」という心構えで見守りましょう。
いじめ被害にあっている子は、みんなとても傷付いています。
まずはその傷を癒すことを第一に考えながら接していけば、大きく対応を間違えることはないでしょう。
要は、休むことを受け入れつつも、立ち上がろうとする時はいつでも協力するというスタンスでいるということです。
子ども達が一日でも早く、いじめ被害という荷物をおろして、元気を取り戻すことを願っています。
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