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皆さん、こんにちは。
いつもおやこ心理相談室をご利用いただき、ありがとうございます。

以前のコラム記事で親の養育態度を4つのタイプに分類する「サイモンズ式分類」について、ご紹介させていただきました。

今回は、その中でも「高圧型タイプ」について詳しく解説したいと思います。

☘ 高圧型の子育ての特徴!?

高圧型というのは、支配×拒否のタイプで、子どもを受け入れず、命令と罰で親の思うとおりに行動させようとするタイプです。

高圧型の親は、子どもに対して支配的で、子どものことよりも自分の理想や考えを重要視します。

その結果、子どもは自主的に動けなくなり、指示待ちとなり、自己肯定感が低くなる傾向があります。

家庭内では、ルールが決められていることも多く、それらは子どもを束縛し、コントロールするために存在します。

ルールを守ったら「いい子」と認められますが、ルールをやぶったり、ルールに従わなかった場合は、罰を与えることが多く、「ルールを破ることは良くない!それをしたお前は悪い子だ!」と恐怖心を植え付けていきます。

☘ 高圧型が育てるロボットのような子ども?

これらの親が、よく使うフレーズは、「〇〇しなさい!」「〇〇してはいけない!」の2パターンです。

会話は常に一方的で、子どもの気持ちや考えを聞く耳を持つことはありませんし、子どもに同意を求めることもありません。

もし、子どもが何かルールをやぶった場合、それに対して説明しても、「言い訳するな!」と一喝し恐怖を植え付けるか、大人の論理で追い詰めていき、無力感を植え付けるかのどちらかになります。

これらの親が目指しているのは、子どもをコントロールして、自分の思うようにすることだけです。

高圧型の親の下では、子どもたちは、窮屈さを感じ激しく反抗するようになるか、表面的には返事だけして、会話を避けたりウソをついてごまかすようになります。

さらに親の支配が増強すると、反抗することをあきらめ、何も言わなくなって、指示待ちになり、親に従うだけの存在になってしまいます。

その結果、物事を自分で判断できなくなり、不登校や引きこもりになったり、最悪の場合、犯罪に巻き込まれたり、病院にお世話になったりします。

これでは、親に対して信頼感を持てず、自己肯定感も育ちようがありません。

むしろ、親に対して憎悪や敵意すら抱くことすらあります。

高圧型の子育ては、一歩間違えると、子どもをマインドコントロールして親の思い通りになるロボットのような子どもを育ててしまう危険性があるのです。

☘ 高圧型の親が引き起こす教育虐待!?

高圧型の親が特に気を付けなければならないのが、「教育虐待」です。

教育虐待とは、子どもの意志や実力を無視して、過度な期待をかけて勉強させ、親の期待通りの結果を出せないと、罰を与えたり、暴言・暴力をふるったりする虐待のことです。

高圧型の親は、教育に関してより高圧的な態度を取りがちです。

テストの点数や成績は、目に見えて評価が分かりやすいので、親の期待を投影しやすいとも言えるでしょう。

しかも、「あなたの将来のため」という、一見すると「子ども想いの献身的な親」にも映る名目を掲げているので、親は自分を正当化することができ、子どもは窮屈に感じつつも何も言えなくなるので、当事者も周囲もこの虐待に気が付くことは難しいでしょう。

教育虐待の裏には、親自身のコンプレックスや子どもに対する嫉妬心があることも少なくありません。

口では「あなたのため」と言いながら、本当は自分のコンプレックスを埋め合わせるためだったり、子どもに対する嫉妬心から、子どもの学力、さらにはその将来・人生を「自分より幸せにならないように」と必死でコントロールしようとしているのです。

「どこの学校に行きなさい、〇〇になりなさい」と口を出すかと思えば、突然その意見を変えたり、邪魔をしたりするのは、子どものことを考えているからというよりは、自分(親)にとって「ちょうどいい」レベルを求めてあれこれ奔走しているからなのです。

自身のコンプレックスが解消されており、子どもを信じることができて、本心から子どもの幸せを願うことができる親であれば、子どもにこんな無駄な労力を費やす必要がないことくらい簡単に理解できます。

☘ モンスターペアレントにもなりやすい

また、基本的に人の意見を聞かず自己中心的なので、子どものことに関して、自分の意見が通らないと、学校に直接訴えたり、担任の先生を責めたりと、モンスターペアレントになりやすのもこのタイプです。

学校さえも、自分の都合のいいように支配しようとするのですね。

実は、これは親自身の持つ「幼児的万能感」の表れです。

高圧的に相手を支配しようとするのは、「自分は万能だから、子どもも学校も万能で、私の言うことくらい何でもできる」と信じているということでもあります。

この発想は生まれてすぐの赤ちゃんと同じで、精神的に成熟できていないという証拠でもあるのです。

自分と相手の境界線が引けておらず、課題が分離できていない、とも言えます。

だから、自分のコンプレックスを自分で解消することもできず、ずっと持ち続けているわけなのですね。

成熟した人から見ると、子どもや学校を支配しようと高圧的に声を荒げる行為は、実は自身の幼さを露呈するだけのとても恥ずかしい行為なのです。

相手のことを思いやったり、その場に即した言葉使いができたり、人とむやみに揉めないようにできるというのは、相手を信じることができるという大人の能力でもあるのです。

☘ 学校や部活動でも陥りやすい

高圧型の指導は、家庭以外でも見かけることがあります。

例えば、強豪校の部活動などには、高圧型の指導がいまだに正しいと信じられていることがあります。

過去の栄光を振りかざす監督や先生の絶対王政の下、生徒の意見は聞き入れられず、厳しいルールで支配して、自分で考えることをあきらめたロボットのような選手を育てているように見える指導の話も耳にします。

その中で、必死に自分らしくあろうともがいた結果、体や心に傷を負い、描いていた理想が打ち砕かれて、当相談室に相談に来られたケースもあります。

学校や部活動はまだまだ閉鎖された場所であることが多く、体罰だけは問題視され軽減されてきましたが、本質的には昔からなんら変わらないという現状がはびこっていることがあるようです。

気が付いた生徒自身や保護者が声を上げることができるような環境整備が急務です。

☘ もったいない子育ての代表格?

家庭内でも外でも、高圧的な指導方法を目にするたびに、「もったいないな」と感じます。

もっとも、当事者は「これが子供にとって唯一正しいやり方だ」と信じているわけなのですが…

もったいないと思うのは、「子どもが本来の力を発揮できないこと」はもちろんですが、「親が子どもの成長の過程を楽しめない」こともとてももったいないと思います。

わざわざ嫌われ役を自分から演じなくても、家族でもっと子育てを楽しんでもいいと思います

家の中が楽しい!」それだけで、子どもたちは外の世界で思いのほか頑張れるのです。

子どもの本来の力を信じて伸ばす指導へと舵を切ってみると、子育ては案外楽しいものだと気が付くかもしれません。

「高圧型の子育てを卒業したいけど、やり方が分からない」とお困りの方は、一度ご相談ください。

ご家庭に合ったやり方を一緒に考えていけると思います。

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