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皆さん、こんにちは。
いつもおやこ心理相談室をご利用いただきありがとうございます。

多くの親御さんは「立派な大人になりなさい!」と言って、子育てをします。

それを真面目に守って、社会的に「立派な大人」になった方々が、今度はご自身が親になって今現在子育てをしているというご家庭は多いと思います。

社会的に「立派な人」でいるのは大変素晴らしいことですが、子どもにとって「立派な親」でいることは、実はたくさんの弊害を生みます

社会人として大人として、どんなに成功して立派なポジションにいようと、子どもたちが成長していくうえで、親は家庭内で“立派”という肩書を脱ぎ捨てなければなりません

外の社会と家庭内を別の次元で考えていただきたいのです。

社会的に“立派”な地位にいたり、世間的に“立派”な仕事をしている方は、特に注意して欲しいと思います。

“親の立派さ”は無用の長物

社会的に立派な地位にいる人の中には、家庭の中でもその肩書やプライドを守ろうとする人がいますが、専門家から見ると、子育てにおいて“親の立派さ”には何のメリットもなく、単なる無用の長物だと思います。

外の社会での親の威厳を家の中でも振りかざすことは、子どもにとっては実は大迷惑です。

遅くとも思春期くらいまでには、この“立派さ”というプライドを脱ぎ捨てて、子どもと向き合ってほしいと思います。

家庭内では子どもと本気で遊んだり、失敗したり、だらしなかったり、ちょっと抜けていたりする姿をあえて子どもに見せる必要があります。

そうすることで、「完璧な親」という幻想を早いうちに打ち砕くことができます

“立派な親”でい続けることの弊害!?

成長の過程で子どもたちは、一番身近な大人である「親」の姿を見てそれを自分の中に取り込もうとします。

これは思春期に入る前くらいまで続きます。

この取り込みの作業中に親が「立派な姿」ばかり見せていては、「親はすごい、完璧だ、自分もそうなりたい、そうならなければ…」と考えていき、「完璧な親」という幻想を膨らませていきます

親の完璧な姿しか知らないと、自分の中の完璧じゃないところや不完全なところ、ミスや失敗が許せなくなっていきます

そのうえ、いつまでたっても「完璧な親」を超えることができず、その幻想と現実の間で苦しむことになります。

その結果、人格に歪みをきたしたり、不登校からの引きこもりや家庭内暴力、自傷行為、各種依存症などと、様々な問題行為へと発展していきかねません。

社会的に有名で地位のある人のお子さんが、いじめの加害者になったり、逆にひきこもっていたり、事件を起こしたり、薬物に手を染めたりするニュースをよく見ますが、こういうことも背景にあるのかもしれません。

子育てが上手く行っている親は?

逆に、子育てが上手く行っている親は、子どもが大きくなって自分で親のすごさに気が付くまで、子どもには全く自分のすごさを語りません

子どもにどんなにバカにされようと、「ダメ親」のレッテルを貼られようと、笑って「そうなんだよ」と聞き流すくらいです。

(子どもが見ている「親のすごさ」というのは、学歴や肩書だけでなく、他者への思いやりや優しさ・努力する姿など、親自身の人としての特性や生き方などの内面的なものだと思います。)

自分がどんなにすごいかをひけらかすのは、強い承認欲求の表れで、幼い子どもと同じ発想ですね。

(大人が自らひけらかす「すごさ」というのは、大抵、学歴・職歴や肩書、収入・所有物などの外面的なものです。)

この承認欲求は、子どもではなく配偶者やパートナーに満たしてもらうのが一番自然です。

“立派な親”を卒業できているかチェック!

“立派な親”だと思われていないかどうかをチェックするのは簡単です。

家族の前で、子どもにミスや失敗を指摘されたり、いじられたり、「ほんとダメな親だなー(笑)」などと冗談っぽく言われているかどうかです。(そして、そのことにいちいち目くじらを立てずに、受け入れたり、さらっと流したりできる。)

親というのは、子どもに小バカにされているくらいが丁度よいと思います。

これができる子どもたちは気持ちがラクですし、親子関係に緊張感がなく、リラックスできている証拠です。

ここまでフランクな関係が築けてくると、親に対する「完璧」という幻想や、自分に対する幻想(万能感)が自然と打ち砕かれて行きます。

「立派な親」という称号は子どもに与えられるもの!

「立派な親」という称号は、親自身がなろうと思ってなれるものではなくて、子どもが大人になってから、子どもの判断で与えられるべきものだと思います。

子育てがひと段落した頃に、「よくできた」「まあまあ」「がんばろう」と、子育ての成績がつくのだと思います。

要するに、「立派な親」を手放した親ほど、「立派な親」に近づくという、これも一つのパラドックスです。

早い段階で「立派な親」を手放せるといいですね。

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