皆さん、こんにちは。
WBCでの侍ジャパンの優勝、おめでとうございます。
連日メディアで取り上げられていて、栗山監督の “選手を信じる力”が栗山イズムとして注目されています。
この“相手を信じる力”というのは、野球などのスポーツだけでなく、会社・企業や色々な組織、はたまた子育てにおいてもとても重要な役割を持つ力だと思います。
“信じる力”は何も遠い場所の話ではなく、ご家庭の中での親子関係にも十分通ずる話なのです。
親子関係はスポーツチームに似ています。
以前にも書きましたが、子ども達をプレイヤーとするならば、両親は監督・コーチ、祖父母はオーナーといったところでしょうか。(「おじいちゃん・おばあちゃんは家族というチームのオーナー!?」参照)
世界で活躍している超一流アスリートのご家庭も、今これを読んでいる読者の方のご家庭も、同じ一家族ですし、基本は親子関係というのは同じことです。
あんな素晴らしい超一流アスリートを育てたい、とまではいかなくても、子どもにイキイキと自分らしく生きていてもらいたい、毎日楽しく笑顔で過ごしてもらいたいと願っている親御さんは多いと思います。
子ども達のその力を引き出すために必要なエッセンスが“親が子を信じる力”なのかもしれません。
栗山監督が“信じる力”によって侍ジャパンの選手たちの力を引き出したように、親にも“信じる力”があれば子どもたちの潜在能力を引き出すことはいくらでもできると思います。
「子ども達がまだ十分に力を発揮できていないな」とか「大事なところでいつも失敗するな」と感じることがあるならば、それは親サイドの“信じる力”が足りないということなのかもしれません。
子どもたちの可能性は無限大です。
何の可能性がいつ開くかは誰にもわかりませんが、それを上手にサポートできる親(監督)でありたいですね。
“信じる力”とは?
個人的な意見になりますが、一番わかりやすい“信じる力”というのは、やはり“待つ力”だと思います。
子どもが何かしようとしている時に、手や口を出さずにじっと待つ。
子ども自身も不安になり、やり方が分からず戸惑っている、そんな様子を見ながらも「この子なら大丈夫」と信じて待てるか、ということだと思います。
本当に困ったときは子ども側から助けを求めてきます。(困ったときに助けを求めることができるのもまた大事な能力です。この力もつぶさないように配慮してください。)
そのときこそ親の出番です。
信じる力が弱い親
信じる力の弱い親は、子どもが不安になっている事実に自分が不安になり、自分の不安に耐えられないので、この不安な状況をなんとかしようとして先に手を出してすべてをやってしまいます。
一見すると「子どもが不安なときに助けるのは親として当然の義務」と思われるかもしれませんが、それは親側からの理屈であり、親の勝手な思い込みです。
子ども側からすると、「そんなこと頼んでない」のです。
信じる力の弱い親というのは、おしなべて、子どもの気持ちを確認しない自分勝手な親とも言えるかもしれません。
親が先に手を出すと、もちろん大人なので物事はおおかた上手く行きます。
子どもの方も最初のうちはやってもらってラッキーと思うかもしれませんが、これが長い間続くと最終的に「自分でやらせてもらえなかった。任せてもらえなかった。自分は信用されていないんだ」という寂しい気持ちが残ります。(←無意識なので自分でも気が付かず言葉にもなりません。)
この寂しさがある限り、自信(自分を信じる力)が育つことは難しく、さらにはここぞというときに自分の力を発揮することが難しくなってしまいます。
栗山監督も「ピンチのときにベンチで自分が不安がっていては勝てない。こんな時こそ「お前らなら大丈夫」と選手を信じなければ」と話していましたね。
その結果、調子の上がらなかった選手も最高の場面で実力を発揮して、見事優勝を勝ち取りました。
これは子育てでもまったく同じことだと思います。
子どもが必要なときに実力を発揮するためには、その前の段階で何が起きていても信じて待つことが必要なのだと思います。
「待っていてくれた。任せてくれた。信じてくれた」という体験をたくさんすると、それが子どもたちの自信となり、安心して実力を発揮できるようになるのです。
子どもに自信を持たせたいならば、まずは親自身が自分勝手な親を卒業し、「信じる力」を身に付けて、それを子どもに体感させなければなりません。
新生活のスタートにあたって
奇しくも日本はちょうど卒業・入学シーズンです。
新生活が始まったり、新学年になったりと、環境が大きく変わる時期です。
この時期の子どもたちは期待もあるけど、不安もいっぱいの状態です。
子ども達が不安そうにしているのは自然なことですが、それを受けて親が勝手に、
ランドセルの中を見て忘れ物のチェックをする、親が宿題を全部チェックする、部屋や机の中を勝手に見る、毎日学校に車で送迎する、子どものもめ事に首を突っ込む、子どものイベントの場所決め・予約をする…
なんてこと、やっていませんか?
今こそ栗山監督が見せてくれた“信じる力”を家庭内でも実践するタイミングだと思います。
どんなに心配になろうと、どんなに不安になろうと、子どもが助けを求めてくるまでは待つ、という姿勢を貫いてほしいと思います。
結果はすぐには見えませんが、数年間の積み重ねが子どもたちの中に“自信”という形で必ず実を結ぶことでしょう。
“信じること”・“待つこと”はとても難しいですが、もしかしたらその難しいチャレンジの先に超一流が育つ可能性だって十分にあります。
新生活を前に、親としての“信じる力”が試されています。
是非、家庭というチームの名監督になってください。
コメント