皆さん、こんにちは。
前回の中学年生(3&4年生)の発達と特徴に引き続き、今回は中学年生の子ども達との接し方のポイントについて詳しく解説していきます。
この時期に親としてやるべきことを理解しながら、日頃の生活に活かしてほしいと思います。
依存・甘えを受け入れる
精神的に自立し始めたと言っても、まだまだ親への依存心、甘えたい気持ちはあります。
子どもが寂しい・甘えたいサインを出しているときは、十分に満たしてあげてください。
- 登校しぶり
- 頭痛・腹痛などの体調不良が続く
- 頻繁にトラブルを起こす
- 子どもの頃のクセの再発
- 集中力が減って、テストの点が突然下がる
- 落ち着きがなくなり、情緒が不安定になる。などなど、他にもたくさんあります。
この頃の依存や甘えはごく自然なことだと認識して、求められればスキンシップや、じっくり話を聞く時間を作るなどして甘えを受け入れてあげてください。
甘えが満たされると安心して、再び自立へと向かっていきます。
逆に、「それくらい自分で何とかしなさい!」と突き放したり、甘えが満たされずにいると、自立できずに親にしがみつくようになることがあります。
興味や関心を持つ
子どもの学校生活や友達に興味や関心を持って、学校での様子をよく聞いてあげましょう。
「学校では何をしたの?」
「今日はどうだった?」
「それで、どう思ったの?」
「休み時間は何して遊んだの?」
「今日の給食は何だったの?」
など、いろんな質問をして、子どもの話を聞きましょう。
その際は、親の主観や判断はあまり必要ありません。
最初は上手く答えられなくても、続けていけば自己主張の練習にもなります。
質問されて話を聞いてもらえた体験、理解してもらえた体験が受け入れてもらった安心につながります。
関心を持ってあげることで、子どもは「親の知らない世界を持っていること」を親が肯定してくれているのだと理解し、安心して自立へ向かっていけるのです。
自我を鍛える質問を!
いろんな場面で、親が勝手に決め付けずに、「あなたはどう思うの?」「どうしたいの?」という質問を投げかけるようにしましょう。
子:「今日学校でね、○○さんが○○さんにひどいこと言ったの。」
親:「ふ~ん、そうだったんだ。それで、あなたはどう思ったの?」
子:「来週から水泳教室があるんだって。やりたい子だけやれるみたい。」
親:「へ~、そうなの。それで、あなたはどうしたいの?」
自分で決める練習を積むことで、「自分から決定し行動できる」という自我の強さを育みます。
一度立ち止まって考えることで、自分の気持ちを整理することにもなり、感情のコントロールの練習にもなります。
また、自分に問いかけてくれていることは、親が自分を受け入れ信じていてくれるという安心にもつながります。
比較をさける
周囲との比較はできるだけ控えましょう。
この時期の子ども達は他人との比較で頭がいっぱいです。
これは、発達段階上、必要な事なので仕方がないのですが、その上に、親がさらに比較して、「あの子は良くできるのに、あなたはどうしてできないの?」などと、「どっちが良くて、どっちが悪い」とようなことを言うと、自分の中の劣等感が強くなってしまいます。
自分に対する強い劣等感をごまかすために、周囲をバカにしたり、見下す行動が増えたりします。
結果的に、友達がコロコロ変わったりと安定した関係を築く事ができなくなります。
この時期に人間関係を上か下かで見るような人間観が育ってしまうと、後々とても苦労することになります。
ケンカは君のせいじゃない
仲間と過ごす中で、ケンカしたり、言い争ったりすることもあると思いますが、そんな時は、一方的にどちらが悪いと決め付けずに、
「ケンカはお前のせいじゃない。」
「あなたの言いたいことはよくわかった。」
「お前の言うことも一理ある。」と、子どもの主張を認める対応を心掛けてください。
誰か一人が悪者になる必要はありません。
この頃の子ども達にとっては、ケンカも大切な役割を持っていて、相手を受け入れたり、反発したりしながら、一人で他者と交わる術を学んでいるのです。
子どもを信じて見守る
この時期の子ども達は、学校や仲間たちとの間でたくさんの経験を通して、自立に必要なスキルを身につけようと頑張っています。
ほとんどの子ども達は特に意識せずに、自然にこの時期を通り過ぎて行きます。
しかし、中には劣等感が強く育ちすぎて仲間が作れなかったり、甘えが満たされずに安心して自立の準備ができない子がいます。
ここでも、親として一番大事なことは、「子どもを信じて待てるか」、という一点だけです。
子ども達は自立の準備をはじめているのですから、どんなに寂しくても親も「子離れ」の準備を始めましょう。
今までより少し離れて、「見守る姿勢」へと親自身も成長していくことが大切です。
一人で社会に立ち向かってういこうとしている子どもの背中を温かく見守っていきましょう。
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