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皆さん、こんにちは。
以前のコラムでは、『子どもが夫婦ゲンカに巻き込まれるとどうなるのか』、そのメカニズムと特徴について解説しました。

今回は、『夫婦関係を良くするにはどうすればいいのか』、その方法と考え方について触れていきたいと思います。

昨今では、新型コロナウィルスの影響から「コロナ離婚」という言葉も生まれ、夫婦関係の本質が問われる時期に入っているのかもしれません。

この機会に、改めてご夫婦としてのあり方を一度振り返ってみてもいいかもしれませんね。

パートナーの欠点・短所の詮索を止める

こういった仕事をしていると子供達が起こす様々な心の問題と出会うことがあります。

中には、子ども自らが身体を張って、わざわざ問題を親御さんに提示してあげているというケースも珍しくありません。

そもそも子どもが何かしらの問題を起こしてくれるというのは、お父さんとお母さんが仲良く、仲直りする、いい機会でもあります。子どもが与えてくれる絶好のチャンスなんですね。

子どものことに関しては、夫婦として手をつなぐことはできなくても、父親母親として手をつなぐことが大切です。

つまり、父親母親として、できる限りケンカをしないということですね。

子どものことでケンカをしないということが、まずは一番大事な条件です。

二番目が、前回のコラムでも解説しましたが、夫婦ゲンカをすると相手の悪い所ばかりが目に付いてきて、そういうところばかり詮索材料になるわけですね。しかし、それをしている限り夫婦ゲンカは収まりません

確かに、ケンカの真っ最中は、相手を責めたい気持ちは当たり前な気持ちで、それを否定する必要はありませんが、ただ夫婦仲を良くしようと思う場合には、責めたい気持ちに歯止めをかける、コントロールするということが大事になります。

自分側の問題を理解する

そこで、詮索する場所を、相手ではなく、自分の心の内側に変えて下さい

「なぜ自分は相手の、○○について不満を抱き続けねばならないのか?」、「そういったことを悩み続けなければならないのはなぜか?」と、自分の側の問題に目を向き変えてみて下さい

自分がなぜ繰り返し、同じ不幸を相手との間で起こさねばならないのかということに気づくと、夫婦関係に少しずつ変化が表れてきます。

お互いに、二人が同時進行でその営みに取り組み始めれば、夫婦関係が良くなってくるのです。

なぜならば、妻は、夫を変えることはできませんね。もちろん、夫は妻をかえることもできません。

心理学用語で、「他人と過去は変えられない」という言葉があります。

人は他人を変えることはできませんが、自分を変えることはできるのです。

「性格は変わらない」などと言いますが、あれはウソです。自分のある部分を変えるということは十分可能なことなんですね。

変えられるのは自分だけ

だから自分がどういうことで、ついつい相手に対してガッカリしてしまうのか、ガッカリする時に自分がどんなことをして、相手がそういう行動に最終的にでるのか、それが見えるようになると、相手に仕掛けていく自分というものを変えていくことができるわけです。

例えば、夫の場合、妻の掃除嫌いでも、料理嫌いでも、何でもいいんですが、そういう妻の欠点をいつまでも受け入れられないのはなぜか?と考えていくわけです。

そもそも愛するというのは、「相手の欠点も含めて、相手を受け入れる」ことですね。

ですから、「掃除が下手だ」とか「料理が下手だ」とか、そういったことにいちいち目くじらを立てること自体、夫は妻を愛していることにならないわけです。

どうして、ある短所をもつ妻を受け入れられないのか?」っていうことに、想いを馳せる必要があるということです。

奥さんの場合には、よくあるケースでは「なぜ自分は夫の母親(姑)の目が気になるのか?」というものです。

これはもう、結婚したら、お嫁さんはお姑さんのことを気にするのは当たり前のことだと思っておいて下さい。

なぜ気にしてしまうかというと、お嫁さん側に「夫にとって自分が一番!姑が二番」というガッチリした自信がないからなのです。

ちょっとややこしい説明になってしまいますが、「女性として、自分のお母さんが一番で、自分は二番」(女性としてお母さんの方が自分よりも魅力的で優れている)という、母親離れが出来ていない自分がまだ残っているということなのです。

まずは、それに気づく必要があるということですね。

どんなに頑張ったって、不幸な人生しかないんだ

親御さんが自分自身と向き合っている姿を見せることは、子どもが一人前になっていく上では、すごい力になることは確かです。

ずっとケンカをしっぱなしでいると、子どもにとってみると「自分がどんなに頑張って大人になっても、こういう親のような幸せじゃない人生を送るんじゃないか?」と感じてしまうわけです。

子どもは、親の一生が人間の一生だ、という風に思いがちなんですね。

だから、お父さんやお母さんが不幸せな毎日を送っていると「どんなに頑張ったってこういう不幸せな一生しかないんだ」「だったら、やったって仕方がない。ヤル気が起きない・・・」ということが起きやすくなってしまうんです。

ですから、まずは、親御さん自身が自分と向き合うという姿勢を意識してみることが、夫婦関係を考えていく上での最初のステップになります。

また、もし我が子に何らかの問題が起きた時は、夫婦として、それまでちょっと二人の間で冷えていた部分があったとしても、もう1回あったかくなるチャンスだと捉えなおして下さい。

そのチャンスを生かすことで、子どもさんが再びヤル気を起こし、自分の人生に取り組んでいくという力を与えることになるんだということを是非覚えておいて欲しいと思います。

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