皆さん、こんにちは。
私は、時々お母さん方を対象とした研修会や講演会などでお話をさせていただくことがあります。
そうした場で驚くのは、参加された皆さんの育児・教育に関する知識の豊富さです。
心理学の難しい専門用語が突然出てきたりして、時々面食らうこともあります。
おそらく、たくさんの育児や教育に関する本を読まれてきたのでしょう。
神業的な子育ての落とし穴?
ただ、その知識の豊富さがゆえに、時にお母さん達をがんじがらめにしている様に見受けられるときもあります。
多くのお母さん達が、親が支配的になりすぎないように適切な躾を行いながら、なおかつ「子供達の自主性を尊重」し、「個性を重んじる事」を心がけるという神業的な子育てを行おうとしています。
昔であれば、ごく普通の行動であった「子供が悪い事をしたら叱る」という単純な行為においても、いちいち「こういう時は、こういう言い方はしてはいけないんだっけ?」等と考えたりする方々もいらっしゃいます。
子育ては、お母さん自身の性格や子供の性格、発達段階などで、その都度変わってきます。
育児書に書かれている通りには、決してうまく行くことは少ないのです。もしうまく行かなくても、必要以上に自分を責めないことが肝心です。
「(育児書のように)スムーズにいけば苦労はいらないのよ!」くらいに思っていれば、ちょうどいいのかもしれませんね。
ほどよいお母さんがちょうどいい
お料理も上手い、家事全般何でも完璧で夫の顔をたて、やりくりも上手というお母さんが、本当に良いお母さんかというと、そうとばかりは限りません。
そういう奥さんでは息が詰まってしまう旦那さんもいるかもしれませんし、そもそもどんな料理がおいしいかという味覚だって人それぞれです。
世の中には料理も下手、家事も下手、しょっちゅう失敗ばかりしていて、他人から見ればそれこそ「出来そこないの奥さん」でも、旦那さんと愛し合っていて、たいへん仲の良いご夫婦はたくさんいらっしゃいます。
母親の不完全さは子供の心を成長させる
同じように、子どもにとってのお母さんも、欠点だらけでも構わないのです。
それなりに愛情をもって、子どもに必要な世話を自然にしてあげる、それで十分なんですね。
子どもの世話の仕方も愛情の示し方も、それぞれのお母さんの個性や性格で違って当然ですし、またそれでよいのです。
完璧である必要などなく、何もかも育児書のとおりに出来ないからといって子どもが育たないこともありません。
子育て真っ只中のお母さんには、「よいお母さん」を目指すのではなく、皆さんなりのよいお母さんで構わないと思う気持ちの余裕、皆さんは皆さんなりにすでに十分よいお母さんなのだと思う自信を大切にしてほしいと思います。
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