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皆さん、こんにちは。
コロナ事情で休校になっていた学校が再開したところが多いと思います。

再開の仕方もそれぞれの学校によって違うようで、以前のような6時間授業が始まっているところもあれば、分散登校で少しずつ慣らしていく、という学校もあるようです。

いずれにしても、今の状況は、夏休み明けの2学期が始まるタイミングととても良く似ています

通常でも「学校に行く」ということは、子ども達にとってもとてもエネルギーがいることですが、長い休みが明けたり、学年が変わって、環境が変わったりすることは、いつも以上にエネルギーを消耗します。

学校に行っても、マスク、検温、手洗い、給食は静かに、休み時間の制限、大きな声は出さない、など、たくさんのルールと制限があります

子ども達を守る上では必要なことかもしれませんが、子ども達にとっては確実に負担です。

そのうえ、今までのような友達との気さくな触れ合いや会話もしずらく、

今日は〇〇ちゃんと話がしたかったのに、全然できなかった…

分散登校のクラスが分かれて、〇〇くんとは全然会ってない…

などと、消化されなかった感情のみを抱えて帰ってくることも多いと思います。

このような状況の中で、様々な症状を訴えてくる子どもたちが今後増えてくると想定しています。

今後、子ども達に想定される変化

  • 食欲が出ない
  • 夜眠れない、昼間眠くなる
  • 笑顔が減る
  • 感情のコントロールがむずかしくなり、怒りっぽくなったり、突然泣き出す
  • 確認行動が増える
  • ヤル気がでなくなる、集中力の低下
  • ゲームがやめられない
  • 成績が下がる
  • いじめや嫌がらせに巻き込まれる
  • 学校に行けなくなる  など

ただでさえ「学校に行く」ことは大変なのに、それに加えてこの状況では、むしろ「学校に行きたくない」と感じることの方が自然なことなのかもしれません。

子ども達がこのような症状を通して一体何を訴えようとしているのか?

本当は何を伝えようとしているのか?

彼らの言葉にならない感情は何なのか?

と、その根っこにある感情にアプローチして行かない限り、症状が改善に向かうことは難しいでしょう。

「少しずつでも…」の落とし穴

子ども達が自分の辛さをどんなに訴えても、「無理に勉強をさせない」とか「学校を少し休ませる」ということに抵抗がある親御さんがほとんどです。

「つらいなら、無理して学校に行かなくてもいい」「無理して勉強なんてやらなくていいんだよ」というメッセージをいくら出しても、大抵の親御さんは、全く何もしなくなるのが怖いから「家にいるなら、ちょっとくらいは勉強しなさい」とか「少しでいいから前に進んでほしい」というようなことをおっしゃいます。

親にしてみれば、早くこの状況から抜け出したい、ちょっとでも光が欲しいという気持ちから「全部じゃなくても、少しでいいからやってほしい」と譲歩しているわけです。

しかし、子どもにしてみれば、「少しずつでも」という表現は、「少しづつでも、やりなさい」というメッセージであり「今までと何も変わらない」としか映りません。

親が「少しでも、ちょっとでも…」なんて言っているうちは、子ども達の苦しさは何も変わりません。

この「少しずつ」を「完全に0」にするのが本当の意味での「休む」ことなのだと思います。

「完全に0」というのは、親が「勉強なんてやらなくていい」「学校なんて行かなくていい」と本気で伝えることができて、初めて作れる環境です。

その環境がないと、子ども達は休むことができません

いくら家でダラダラとゲームをしていても、本当の意味で「休む」ことができないのです。

しかし、完全に0の環境でしっかりと休むことができた子は、また力を溜めて、自然と外の世界へ挑むことができるようになるのです。

逆説的ですが、子ども達が改善していく一番の近道は「できなくてもいい、元気ならそれで充分」と親御さんが心の底から思えることなのです。

そして、これができるのは、周囲や世間体に流されず、我が子のことをしっかりと見て子ども本来の「自分で立ち上がる力」を信じることができる、勇気のある親だと思います。

もしかしたら、子ども達はそういう親の姿を見たいと思っているのかもしれません。

「光」は子ども達が持っている

現状のようなストレスフルな環境の中では、通常運転に戻るのに時間がかかる子もいます。

しかし、どんなに暗く、先が見えないような状況になっても、それを打ち破ることができるのは子ども達が持つ「光」だけです。

そして、その「光」が一番明るく、一番強いのです。

親の仕事は、暗い状況の中で焦って外の光を探すより、子どもの持っている「光」を信じて待つことだと思います。

学校生活に慣れるまで、今後、1,2か月は特に注意が必要です。

子ども達の様子をよく見て、安心できるような声掛けを心がけていただきたいと思います。

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