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皆さん、こんにちは。
私は、職業柄、日々様々な心の病や症状、問題行動等を扱っていますが、それらが家族システムの崩壊を一時的に防ぐ大切な役割を果たしている場面に度々出会うことがあります。

例えば、父親にアルコール依存症が見られるようなご家庭の場合、家族間で日常的に重苦しく、ピンと張りつめた緊張感が漂っています。

この緊張感は、「いつ父親が怒鳴り始めるか?いつモノや家族に当たり始めるか?今日は誰がターゲットになるのか?」といった類の物ですが、こういったご家族の場合、父親がお酒を飲まないで家に居る時の方が家族内の緊張が高まる傾向にあります。

役割を必死に演じる子ども達

今回は、1例として、アルコール依存症の父親という設定で説明をしていますが、これはヒステリックな母親短気で切れやすい父親がいるご家庭、夫婦仲が悪く冷戦状態(仮面夫婦)、もしくは常にいがみ合っているご家庭でも同様のことが言えます

こうした緊張感を伴うご家族や夫婦仲の悪いご両親のもとに生まれた子どもは、常に振り回されている側の親(多くの場合は母親)を守るために、様々な役割を演じるようになります。

母親の愚痴や不満を必死に聞き入る専属カウンセラー役、緊迫した家族内の空気を一瞬和ませるマスコット役、学校や習い事で抜群の成績をあげて一家の期待の星となることで家族の亀裂を埋めるヒーロー役、わざわざ問題を起こして夫婦の危機から目をそらさせる叱られ役などの役割があります(役割についての詳しい解説はこちら)。

子どもの問題行動が夫婦関係を見直すキッカケに!

私は長年様々なご家族のご相談に応じていますが、不登校や引きこもり、家庭内暴力や非行、過食症や拒食症の絶妙な発症のタイミングには、本当に驚かされるものがあります。

例えば、長女の不登校が収まった途端に、バトンタッチをするかのように次女が過食症になったり、長男の引きこもりが改善に向かったタイミングで次男が窃盗事件を起こしたり、というケースもありました。

家族全体を客観的に見てみると、長女の不登校も次女の過食症も、長男の引きこもりも次男の窃盗事件も、全て親とのつながりを求め、家族システムを維持しようとする子どもながらの必死なもがきとして捉えることが出来るでしょう。

要は、子どもの症状(病気)や問題行動は、それ自体が家族システム(夫婦関係)の崩壊を防ぐ大切な役割を担っているという見方が出来るということですね。

関連記事:一家の平和を望む子ども①』『一家の平和を望む子ども②』『一家の平和を望む子ども③

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