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「自分を大切にする」ことが分からない!?

これまで問題を抱えるたくさんの方々と接してきた中で、大人・子どもに関わらず「自分を大切にする」ということが理解できない人が多くいます。

例えば、人を傷つけることが平気で言える人に「そんなことを言ったら、言われた人が悲しむよ」と伝えても、その感覚が分からないのです。

彼らにしてみれば、「自分は価値がないから、他人も価値がなくて当然」「自分も他人も傷つけられるのは当然のこと」なのです。

実は、この発想はとても深刻なことです。

この傾向は、保育園児や幼稚園児などの幼い子どもでも、すでに表れていることも珍しくありません。

虐待を受けて育った子どもたちにも多く見られる傾向ですが、最近は虐待児ではなくても、自分を大切にできない子どもたちが増えているように感じます。

特に目立って問題を起こさなくても、よくよく話を聞いてみると、リストカットをしていたり、拒食症だったりして、自分を傷つけることは当然で、自分には価値がないと思っていることが多いのです。

自分を大切にできない子はどうして育つのか?

では、この感覚はどのようにして育ってしまったのでしょうか。

「自分を大切にする」という感覚は、本来は、世代間連鎖で親からもらうことで身につけるものですが、その親御さんたちもまた、自分を大切にするという感覚が身についていないということが意外に多いのです。

そういうお母さんたちがよく言うフレーズが「私はいつも我慢している」です。

「自分はいつも我慢している」と思っているお母さんからは、自分のことを大切にできる子どもは育ちにくいということです。

子どものためだけを思って、これまでたくさん我慢してきたのに、それが返って子ども達を苦しめる結果になっているかもしれないと聞いたら、とてもショッキングですよね。

増えている、条件付けの愛情しか知らない母親

自分を大切にする心は、母親から「ありのまま」を受け入れられて、無条件で愛された経験がなくては育ちませんが、「(私はいつも我慢しているのだから、あなたもそれくらい)我慢しなさい」「あなたのためを思ってやっているのよ(私はいろいろ我慢して・・・)。」と何をするにも指示的・高圧的で、押し付けがましく、条件付けの愛情しか与えられない母親が多くなっているのかもしれません。

言い換えれば、我慢するのが精一杯で、子どもの気持ちを汲み取れるほど、心の余裕がない母親が増えている、ということなのではないでしょうか。

あれこれ指示してしまう裏側で、本当は自信がなく、不安で心細い思いを抱えていることが多いのです。

それでも、登校渋りや問題行動を起こしたり、思春期に入って「うるせー!」と反抗できる子はまだ良くて、もっとも深刻なのは、母親のように真面目にひたすら我慢して、自分を押し殺し、自分の意見や存在を無価値だと信じきってしまう子たちです。

そのまま青年期に入ってしまうと、この考え方を覆すのはとても大変な作業になってきます。

大人になっても、自分を大切にできないので「自分は母親よりも幸せになってはいけない」と自分から幸せを避けるように生きていきます。

この悪循環をどこかで断ち切ることが、最終的には親も子も幸せを掴むことにつながります。

お母さんが悪いわけじゃない

私たちは、この悪循環を断ち切り、お母さんと子ども達の「自分は無価値だ」という考え方を修正するお手伝いをしています。

本当に大変な作業ですが、根気よく続けていくことが、その家族が幸せになるために必要だと思っています。

もし「我慢なんて大したことじゃない」「自分が我慢すればいいだけ、それでみんなが幸せになれる」と思っているとしたら、これを機に一度見直してみるといいかもしれません

あなたが悪かったわけではありません。

もしかしたら、幼い頃からずっとそう思って育ってきたのかもしれません。

我慢は美徳として、教えられてきたのかもしれません。

あなたは、むしろ自分を犠牲にしてまでも、みんなのためにと真面目に一生懸命に頑張ってきたのだと思います。

心当たりのあるお母さんは、まずおやこ心理相談室オリジナルのファミリーすごろくセミナーから始めてみませんか。

何かしら、ポジティブな変化が訪れるかもしれません。

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